サイト内検索

2016年10月の活動報告

10月8日(土)~9日(日)は、一泊研修でした。

今年は、熱海市と小田原市を訪問しました。

まず熱海では、熱海に詳しい会員の先導で、熱海駅から中心部までまちなかの散策を行いました。

 

熱海では、観光客数が回復基調にあり、賑わいが戻っていると言われています。

特に熱海駅周辺には多く観光客がいて、たくさんの若い人達の姿に驚かされました。

熱海の銀座通りにある「guest house MARUYA」です。

リノベーションにより、ゲストハウスとして生まれ変わった施設です。

 

熱海の中心部では、こういったリノベーションを活用した施設が、複数存在しています。

最初にお会いしたのは、「guest house MARUYA」のオーナーで、リノベーションの手法を用いてこのような施設を誕生させている市来広一郎さんです。

市来さんは、市民プロデューサーという肩書きで、熱海でまちづくりを行われています。

 

2007年に熱海に戻った市来さんは、地域情報ポータルサイト「Atami-navi」の立ち上げ、「オンたま(熱海温泉玉手箱)」の開催、NPO法人atamistaの設立など、数多くの取り組みを行われました。

そして2011年には、まちづくり会社「株式会社machimori」を設立し、リノベーションを活用したまちづくりを実施されています。

2013年からは2ヶ月に1度、「海辺のあたみマルシェ」を開催されています。

 

市来さんからは、活動を始めた頃の状況から現在の課題、リノベーションの活用まで、幅広くお話いただきました。

細かな質問にも答えていただき、とてもよく理解できました。

次にお会いしたのは、熱海市の産業振興室の室長です。

熱海市の現在の状況や取り組み等について、お話いただきました。

 

熱海市は、高齢化率が高い一方、出生率が低くなっています。

財政の負担も大きいです。

そのような状況の中で、危機感を持って色々な取り組みが行われています。

 

産業振興室では、「熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)」を組織し、市内の挑戦意欲のある事業者を積極的に支援しています。

ここから生まれた成果も、幾つか出ています。

 

また、観光経済課では、ロケ支援に力を入れています。

1年365日の対応で、「断らない」ことをポリシーとしており、ロケ地として多くの利用実績を挙げられています。

 

室長の話を聞くまでは、市の取り組みに関しては、あまり詳しく知りませんでした。

今回、説明を受けたことで、市の方も熱心に活動されていることをよく理解しました。

 

市や商工会議所等の機関は、昔からこれほど積極的であったということではないようです。

これらの機関が変化していった過程も、学ぶことができました。

最後は、熱海銀座商店街の前理事長です。

自身が経営するお店や商店街の歴史、熱海の特性等について、お話をお聞きしました。

 

今回利用した施設は、前理事長が所有する建物です。

リノベーションにより、コワーキングスペース&シェアオフィス「naedoco」として活用されています。

 

ここは、NPO法人atamistaによって運営されており、「熱海市チャレンジ応援センター(A-biz)」の拠点の一つとしても使用されています。

この後は、懇親会です。

前理事長にもご参加いただき、銀座通りのイタリアン「Bonvoyage」で実施しました。

 

この店のオーナーは、クルーズ客船「飛鳥」の料理長を勤められていた方です。

色々な国の料理をご存知で、今回はドイツ料理をいただきました。

この後は、二次会を経て「guest house MARUYA」に戻り、三次会を行いました。

その際、女将やスタッフの方とも話す機会がありました。

 

皆さんの活動のきっかけや活動に対する想いなどを聞くことができ、これまた勉強になりました。

翌日の小田原では、小田原市の中川さんにご案内いただき、まち歩きを実施しました。

小田原城や「HaRuNe小田原」、おしゃれ横丁、小田原かまぼこ通り、小田原宿なりわい交流館商店街等を巡り、たくさんの小田原の歴史や文化、生活などに触れることができました。

小田原城内では、報徳二宮神社に寄りました。

報徳の杜では、おしゃれなカフェがあり、まちづくりだけでなく商業的な面からも注目しました。

小田原邸園交流館「清閑亭」です。

元は黒田長成侯爵の別邸で、現在は観光やイベントの拠点として利用されています。

ここでは、運営を委託されている「NPO法人小田原まちづくり応援団」の方から、お話を聞くことができました。

 

「NPO法人小田原まちづくり応援団」は、小田原市政策総合研究所のOBが結成したNPO法人です。

小田原の事前研究を行う中でその存在は知っていたので、ここで話を聞けたことは非常に幸運でした。

 

清閑亭の運営は6年目ですが、年々利用者数を伸ばしています。

維持管理だけでなく収益事業も行われており、好循環で運営されているようです。

 

最後に、まちなか市場実行委員会の委員長から、お話を聞きました。

 

まちなか市場実行委員会は、商店街を舞台にして、朝市や軽トラ市などを実施されています。

農産物の店頭販売から始まった取り組みは、今では朝市が毎月2回、軽トラ市が年3回実施されるまでに広がっています。

そこで、今までの歩みや、活動のコツなどをうかがいました。

 

この方は、「小田原ほっとファイブタウン」という商店会の連合体でも活動されています。

このため、商店街に止まらず、小田原の中心街といった視点で話を聞くことができました。

2日とも、充実した内容でした。

今回も、とても有意義な視察となりました。

 

熱海と小田原では、まちに住んでいる方が色々な想いを持って、歴史や文化を活かした取り組みを行っています。

それにより様々な結果が現れていますが、取り組みの中では似ているところと似ていないところがありました。

それを知ることで、今回の視察はより一層理解が深まったのではないかと考えます。

 

次回の定例会では、ワークショップを実施し、事後研究を行います。